職人気質になりすぎては稼げない件

 

こんなに頑張っているのに、いっこうに成果が出ない。

 

良いモノを作っているのに、お客さんに感謝されない。

 

高い知識やスキルを兼ね揃えているのに、
物質的な成果(お金や数字)が出ない人にありがちなのは、
職人気質になりすぎていることが原因です。

 

 

職人気質の意味

職人気質の意味

 

ここでいう職人気質とは、以下のような人です。

・制作しているものは、細部までコダワル。

 

・頑固でまじめな反面、誠実で自分の仕事に誇りを持ち、信念やプライドがある。

 

例えば、

「この寿司は、この味を出すのに10年かかる!」

 

「壺づくりの職人。絵を描く職人。一切のムラなく完璧に仕上げる職人」

などと1つのことを徹底的に極めた人達にも当てはまります。

 

職人気質といえば、誉め言葉に入ると思います。
日本といえば「高い技術を持っている」ということで、
それを支えてきたのは「細部にまでコダワル職人気質な人」のおかげ。だからです。

 

だから、今回のタイトルに対して憤りを感じると思います。

 

もちろん、職人気質であればあるほどクオリティが高くなることは間違いありません。
これを書いている私(杉山)も、どちらかというとモノを創るのが大好きな職人で、
現在もグラフィックデザイナーや制作で生計を立てているので、気持ちはよくわかります。

 

 

ただ
「お金を稼ぐこと」と「良いものを創る」ことは、別である。

 

ということを今回は大にして言いたいのです。

 

 

特にフリーランスになりたての人が陥る失敗なのですが、
少しでも良いモノを作りたいばかりに職人気質すぎて、
いずれお金に困り疲弊してしまうのです。

 

本来、褒め讃えられるべき職人気質の方が、
理不尽な目に合いがちなのです。

 

職人気質に偏りすぎず、どうしたらお金を稼ぎやすい体質になれるのか?

 

思考法(マインドセット)を深堀りして伝えていきます。

 

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職人気質の仕事が稼げなくなっている理由

 

なぜ、職人気質の仕事と「お金を稼ぐ」ことは、
マッチしなくなってきているのか?

 

長く理由は以下の通り。

職人が出す成果と、お客さんの求めていることが変わった。

 

何かマニュアルやテンプレートがあるものを信じている

順に説明していきます。

 

 

職人が出す成果と、お客さんの求めていることが変わった。

職人気質の人ほど稼げない

 

これを読むと、なぜ今の日本企業が廃れ始めているのか、
理解することができると思います。

 

1980年代の時代までは職人気質の経営者、事業主でも上手くいっていました。

 

なぜなら、モノが不足していたからです。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機などが典型的ですよね。

 

商品を作れば作っただけお客さんの方から
買い求めてくるので売れたのです。

 

作れば作るほど売れる過去はそんな時代でしたので、
先を予想することが容易でした。

 

だから、従業員(社員)を雇って決められた給料を支払ったり、
設備や機械を買って会社を大きくしていくことが可能だったのです。

 

お客さんがモノを必要としなくなった。

 

2000年以降の現代は、良い商品、サービスを作っても
既にお客さんはモノで溢れている状態です。

 

提供する商品、サービスが悪いのではなく、
皆がすでに持っているモノなのです。

 

 

どんなに商品、サービスの質を
上げようと頑張っても、お客さんは、既に持っているので
求めていないのです。

 

例えば、どんなに高性能なテレビを作っても、
映像さえ見られれば、そこまで高いお金を出して欲しいと思わないのです。

 

どんなハイスペックなパソコンを作っても、
ネットが繋がり、ある程度の作業さえできれば
ほとんどの人にとって、必要の無い機能ばかりなのです。

 

職人気質が日本を成長させたが、現代は廃れさせる原因を作っている。

 

モノ余りの時代になり、お客さんがモノを買わなくなる

時代の変化に合わせられず、依然としてモノを売ろうとしている企業の業績が悪化

 

だから

・当たり前のように大企業が
 倒産をしたり、リストラを始める。

 

・毎年のように平均給与が下がり続ける

 

・「押し売り」や「お客さんを騙す」ような
 売り方をしないと、会社を維持できない。

 

・人件費をケチることでしか 
維持できないブラック企業が後を絶たない。

ということが起きているのです。

 

 

何かマニュアルやテンプレートがあるものを信じている

職人気質な人ほど騙されやすい

 

依然として学校教育は、会社に入るための教育です。

 

多くの人は商人(お金を稼ぐプロ)では無く、
職人(モノを作るプロ)として社会に出ていきます。

 

この国で普通に生きていれば、多くの人が、お金のことを学んだり、

「自分で新しい商品、サービスを創造してお金を稼ぐ」

という考え方(マインドセット)を誰にも教わることが出来ません。

 

 

さらに、先生が黒板に何か答えのようなものを
チョークで書いて教えを受けていると、

 

世の中には答えとなるマニュアルやテンプレートが
あるものだと信じ込むようになり、自分でPDCAを回したり、
失敗を担保して行動する。ということが出来にくくなります。

 

つまり、ブラック企業を支えている従業員の心は、
「この会社以外で自分が稼ぐ手段が無い」などと本気で思い込み、
イノベーションを起こそうともせず、自分を安売りを続けている状態です。

 

職人気質が陥る悲劇なのです。

 

 

現代の売れる商品とは、お客さんにフォーカスすること

酷な言い方ではありますが、

 

質の高いモノを作れば売れる!

 

真面目にやっていれば、いつかは報われる。

という時代は終了しました。

 

これからの21世紀は商人(お金を稼ぐコト)の
考え方(マインドセット)を学んでいかなくてはなりません。

 

商人の思考とは、以下の通り。

 

お客さんは、何が欲しいのだろうか?

 

どうしたら、お客さんを勝たせられるだろうか?

日々、お客さんのことを観察したり、
今、時代がどう動いているのかを考えたりすることに
エネルギーを割いている状態です。

 

深堀りすると、お金を稼ぐプロは
自分がへりくだって、お客さんを主役にする人です。

 

お客さんに対して
職人が提供するすごい(商品、サービス)を与えるのではなく、
商人によってお客さん自身がすごいと思わせています。

 

自分が一番すごくなろうとする職人と、
お客さん自身が「すごい」と思わせる商人では
考え方が違いますよね?

 

今まで、自分を高めようと頑張っていた職人が、
商人の考え方を見ていると、
ラクをしているようにしか見えないと思います。

 

ただ、お金を得るプロ(商人)は、
提供する商品、サービスが最低限の質を満たしていれば、
飛びぬけて良い物でも無くとも、わりとどうでも良いのです。

 

もちろん、粗悪なものを、お客さんを騙して売るのはダメですよ。
ここで言いたいのは、

 

お客さんが求めているモノを見つけ出したら、
サッと差し出すことが出来る。

 

 

自分が差し出したモノが自分にとってすごいものである必要が無く
お客さんにとって「すごいものかどうか」の方が重要なのです。

 

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職人気質が向いている仕事とは?

 

今まで職人気質な人は、どうしたら良いのか?
まとめになりますが、生存するための思考が以下の通りです。

職人になりすぎてはならない。

 

こだわりたければ、自分の生計を立てて、余力でやる。

 

 

何かマニュアルやテンプレートがあると
信じている人ほど陥る罠に騙されない。

 

 

時代の移り変わりが激しいので、
・常識や固定観念に縛られない柔軟な思考と行動

 

 

・自分の凄さよりも、お客さんの凄さにフォーカスする。

 

モノ余りの時代で、物質的な価値が下がってきているので、
新たに人が潜在的に求めているニーズや要請を掴むこと。

 

箇条書きにすると、
なにやら小難しいビジネス書籍の受け入りみたいな言い方になってしまうので、
さらに以下の記事で深堀りしているので、参考にしてみてください。

 

真面目すぎない。

 

グラデーション思考。

 

見切り発車でやる。

 

意識して選択したものは、空振りしても意味がある。

 

実験思考で挑戦する。

 

挑戦すれば必ず行き詰まりますが、それはイノベーションのヒントが隠されています。

 

 

職人気質の性格こそ、伝える努力をする

職人気質の人ほど、伝える努力をすべき

 

この記事では、
まるで職人気質の人たちが積み上げてきた過程を、
否定している訳ではありません。

 

ホリエモンの「寿司職人が何年も修行するのはバカ」の本質は、

 

そこまでの高い商品・サービスをするための「下積みの長さ」では無く、

「努力するためのプランニング。どうやって最短で目標にたどりくけるか?」

について問いを投げたのだと思います。

 

確かに、ネットも情報もテクノロジーも未発達な時代では、
1つの技能を習得するのに、何年もかかりましたが、
時代を重ねるごとに、習得できるスキルは、短縮された当たり前のはずですよね。

 

 

もちろん、職人気質の世界では当然の
「わかる人には、わかる」そんな繊細で、目で捉えたり、
数値や物差し計れない次元、良さは守られるべきだと思います。

 

ただ、職人気質の人が陥りがちな

「わかる人に、わかってもらえればよい!」

 

「薄っぺらいミーハーは来るな!」

 

「短期期間で習得した奴は、わかってない!」

などと、アグラをかいて踏ん反り返りすぎるのも、
良くありませんよね。

 

過去に上手くいった自分を保ちたいがために、
変化を嫌い、権威や既得権益にすがっている人に、
誰も人はついてきません。

 

どんなに大衆が薄っぺらいと感じていたとしても、
どこか小さなことでも良いから
「わかってもらう努力」や「ブランディング」は必要です。

 

そんな謙虚な態度が、変化の激しい時代の流れでも、
必ずファンは残る。ということです。

 

継続し続けるためには「職人に偏りすぎはいけない」
ということをお伝えしたかった次第であります。

 

今回もここまでお読みくださり
ありがとうございました。

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