いじめをする人の心理(イジメが発生するメカニズム)
イジメられやすい人の心理状態
という記事では
イジメめられやすい人ほど、
「自分は価値が低い人間なのだ。
だから、理不尽な思いをしたり、
嫌がらせに合うのは仕方の無いことだ」
などと思い込み、
その状況から逃れようとする努力すら
行わなくなる学習性無力感という
心理状態に陥っている
ということをお伝えしてきました。
では、いじめを行う側の心理状態は
どうなっているのか?
なぜイジメは無くならないのか?
そんな疑問を徹底解説していきます。
いじめをする人ほど劣等感(コンプレックス)を抱えている。
結論から申しますと、
いじめを行う人ほど
大きな劣等感(コンプレックス)を
抱えているため、
誰か他人を下げて、
自分が価値のある人間だと思い込みたい
という心理なのです。
誰か他人のことを
「間違っている」と指摘されれば、
指摘した自分は
などと思うことが出来ます。
誰か他人のことを
打ち負かしてやれば、
などと思うことが出来ます。
イジメをすることによって、
自分の劣等感を感じにくくする
効果があるのです。
例えを上げるならば、
ナチスドイツによるユダヤ人迫害が
典型的ですよね。
当時のドイツは第一次世界大戦に敗北し、
戦勝国によって多額の賠償金を支払わされる
だけでなく、
領土を狭められたり、
経済活動にも制限を加えられたり、
ドイツ人のメンツは傷つけられました。
さらに世界恐慌が発生し、
大勢の職を失った労働者が町にあふれるなど、
当時のドイツ人の劣等感は、
最高潮に達していました。
そこで登場したのが、
時の指導者アドルフ・ヒトラーだったのです。
彼は、元から独裁者だった訳ではありません。
民主主義のシステムの中、
きとんと選挙で当選した、
いち国会議員でしかなかったのです。
ドイツ国民が劣等感の塊に浸っていることを
ヒトラー自分自身も含め、よく知っていました。
だからこそ、
ドイツ国民の劣等感を払拭するために、
「ドイツ民族は価値が高い」と、
褒め讃えたのです。
人間は相手にただ褒められるよりも、
誰かと比較されて「君の方がスゴイ!」
と、言われた方が嬉しくなります。
この心理を知っていたからこそ、
比較する対象に、ユダヤ人を選んだのです。
ユダヤ人は、劣っていて、
ドイツ人は、優れている。
などと言われたので、
当時、劣等感の塊であったドイツ国民の心に
強く響いたのです。
そこからエスカレートし、
比較する対象を全世界の人種に
広げていったのです。
ドイツ人は世界で一番優れている!
だから、世界を統べるのは、
ドイツ国民でなければならない!
当時のドイツ国民にとってヒトラーの
言葉は劣等感から解放してくれる
非常に心地の良いものでした。
まさか、
いち国会議員のヒトラーが
独裁者となり泥沼の第二次世界大戦へと
突き進むなど夢にも思っていなかったのです。
強い劣等感(コンプレックス)を持っている
人ほど、誰かをイジメ、傷つけても良いと
正当化してしまうのです。
いじめを行う人ほど、
劣等感の塊であり、弱い人なのです。
しかし、
イジメと戦争を例えるなんて、
大げさな…
などと思うかもしれませんが、
学校や職場で起きているイジメを
する人の心理と
虐殺をする兵士の心理状態は
同じです。
規模の大きさで
イジメ、事件、迫害、虐殺、紛争へと
シフトしていくものだと思います。
※余談になりますが、
今回、歴史の話を取り上げましたが
歴史を語るうえで、
結果や出来事を一部を切り取って
ナチスドイツが悪い!
戦争は良くないことです。
以上!
などと、善か?悪?
などと、二元論で語ると、
必ず同じこと、同じ歴史を繰り返します。
結果に至るまでの原因、人々の心理、
文脈を読み取らなければなりません。
事件や紛争の当事者ほど、
正しいか?間違っているか?などと
二元論で語るのが大好きです。
いじめをする人ほど「面倒見が良い人」
「いじめ」と聞いて、
どんな行動を思い浮かべるでしょうか?
・相手の悪口、批判を言う
・直接暴力をふるう
・SNSで相手を勝手にUPする
・相手を支配する
・無視する
・邪魔する、足を引っ張る
・損害を与える
などなど、キリがありません。
何が言いたいかというと、
「いじめ」の定義は定まってないのです。
さりげなく放った一言によって
相手の心は深く傷つき、苦しめている
ことがありますよね。
さらに、冒頭で言ったように、
いじめを行う人ほど、
などと自覚していないのです。
むしろ、
と思っている人ほど、
いじめをする可能性が高いのです。
この理由についても
詳しく話をしていきます。
劣等感、コンプレックスが強い人ほど、
いつも自分の正当化を証明したいと
強く考えています。
だから、
誰か他人に対して、
間違いを積極的に指摘したくなります。
例え、相手のメンツを傷つけたとしても、
そんな心理が働くのです。
もっとエスカレートすると、
相手は、自分なしでは生きていけない。
自分が助けてあげないと、何もできない。
誰かを助けてあげられる自分は、
存在価値が高い。
などと無意識に考え、
相手を支配、コントロールしようと
します。
などと、本気で思っているのです。
この行動は完全にエゴです。
そして、
相手が抵抗したり嫌がったら、
自分の隠された劣等感が
復活してしまうので、
正しい自分に対して
間違っている相手に否定された。
だから、相手を攻撃して良い。
などという心理状態に陥り、
「いじめ」を行うという
一連のメカニズムなのです。
優越感を求める「人助け」なら、しない方が良い
「人を助ける」ことが、
決して悪いことでは無いと
言いたいです。
重要なのは、動機です。
手を差し伸べる際、
自分の心にエゴが無いのなら、
どんどんやった方が良いです。
しかし、
「自分は人を助けることで、
自分の価値が上がる」
などと、
優越感を求めているくらいなら、
やらないほうが良いです。
優越感やエゴありきの手助けは、
必ず見返りを求めます。
自分の求めているものが
手に入らなければ、
相手を支配、束縛、コントロールしようと
します。
自分の思うようにいかないなら、
相手を恨み「いじめ」を行うのです。
相手を本当に「助けたい」と
思っていたのではなく、
自分の心の穴を満たされたいがために
やっていたからです。
では、
そもそもエゴとは何か?
なぜ自分に劣等感(コンプレックス)を
植え付けられてしまったのか?
その理由と
エゴからの脱却方法について、
正義感が強い人ほど嫌われる理由「自称、正義マンはエゴイスト」
という記事で解説しておりますので、
よろしければお読みになってみてください。
今回もここまで
ありがとうございました。