思い出し怒りは相手に対する復讐心が原因です
その場では言い返すことができなかった
「あの時、動揺してしまい頭が真っ白になって
言い返すことが出来なかった!ぐやじい!」
過去、過ぎ去ったことを思い出してしまい、
まさに、その瞬間、その場所に居るからのような怒りが込み上げてくる。
思い出し怒りが止まらなくて、
いちいち嫌な気分に、目の前のことすらも手に付かなくなってしまう。
これらは、認知心理学で対処可能です。
そして、この対処法を理解するために、
原因と因果を理解しておくことが必要になってきます。
原因と因果
※2019/8/29の記事では、
相手と同じ価値観、物差し、土俵に入らないために、
「執着を手放す」と、お伝えしてきましたが、
2021/2/13の今回、そもそも執着は、
心のどこから来ているのか?
認知心理学の学びをさらに深めたところ、、
・無価値感
・罪悪感
これらの劣等感から来ていることがわかりました。
相手の過去や、酷い仕打ち以上に、
自分に対する深い劣等感が
怒り、悲しみという感情を作りだしているのです。
思い出し怒り(嫌な記憶のフラッシュバック)とは、
自分の劣等感(無価値感・罪悪感)が刺激された時、
心の防衛本能として、怒り、悲しみが沸き起こるのです。
「なぜ劣等感を刺激されたとき、感情が沸きコルのか?」
以下、心理学の教科書的な内容ですが、シェアします。
・無価値観を刺激された時、
「相手よりも、私の方が優れている!価値があるんだ!」という
安心感を得るために感情が沸き起こる。
・罪悪感が刺激された時、
「相手よりも、私の方が善人だ!」という
安心感を得るために感情が沸き起こる。
よく他人の批判や愚痴をこぼす人も、
自分の劣等感ゆえに、つぶされないようにしている深い心理なのです。
怒り、悲しみの科学
さらに人は、感情が沸き起こる際、
「悲しみ」→「怒り」という順番で沸き起こります。
悲しみの心理を言語化すると、
「不甲斐なさ、落胆、寂しさ、傷つき」
です。
悲しみによって、自分が死なないために、
怒りという防衛本能を働かせます。
「そうだよ。どうせ私には価値が無い尊大だよ!」
「○○すべきだ!なのに相手は悪い奴だ!」
「なぜ、自分のことをわかってくれないのだ!」
これら認知心理学に基づいたメカニズムなのです。
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思い出し怒りの心理は復讐心です
つまり、思い出し怒りが
何年も長引いている状態とは、
劣等感を感じて悲しみを感じた自分に対して
「いつか見返してやる!(自分が価値がある存在なのだと知らしめてやる。」
「相手が悪くて、間違っていた。ということを認めさせてやりたい。」
という防衛本能です。
しかし、復讐心のモチベーションで努力したり、
何かを得ようとするのは、絶対にオススメしません。
復讐は何も生まなかった「体験談」
なぜなら、怒りは相手に伝わることはありません。
例え、伝わっても相手は間違いを認めません。
そして終わったことを蒸し返すことが出来ないから、
余計に怒りが増すのだと思います。
例え、あなた力をつけて富や地位を手に入れ、
相手をコテンパンにしたとしても何も解決することはありません。
むしろ「相手に非を認めさせる」「復讐」という目的のために
多大な犠牲を払うことになるからです。
箇条書きにすると以下の通り。
・膨大な時間と金を失う
・他の「良い人たち」が離れていく
・負のエネルギーを抱え、常に機嫌が悪くなりメンヘラになる。
・復讐は復讐を呼び、また相手から報復される無限ループ
復讐がいかに自分にとってダメージか理解できると思います。
見返したいための努力はマジでオススメしません。「精神病になりかけた」
よくある間違いなのですが、
「見返してやりたい!」というモチベーションで、
何かを成し遂げようとするのは、やめてください。
続けてるとガチで精神病、一歩手前になります。
これを書いている過去10年分の杉山の経験談を、ダラダラ書いておくと、
例え、どんなにブラックな部活や職場、人間関係であっても、
さっさと辞める・離れていくという決断をしませんでした。
心理の奥底には、
・最後に必ず自分の正しさを相手に証明してやりたい!(自分の無価値観の裏返し)
・相手に私が間違っていた!と認めさせ屈服させたい!(自分の罪悪感の裏返し)
言葉で発しなくとも頭と心の中は、そんな気持ちで一杯にしていました。
精神的な復讐を誓っていたのです。
実際に私が、復讐心を糧に、部活や勉強、仕事、スキルを磨く、
金を稼ぐ、高いポジションにつく。など、
努力していましたが、めちゃくちゃ効率が悪いです。
本来、目の前のことに意識を集中しなければいけないのに、
いちいち相手の顔が浮かび上がってくるので、
意識が分散し放題なので当然です。
燃料タンクが穴だらけなのに、穴を塞ごとせずに
ガンガン燃料を継ぎ足して出撃する戦闘機みたいなもんです。
すぐに戦闘不能になります。
それでも、さんざんディスってくれた輩に
「アイツすげぇ・・・」「アイツが正しかった。」
などと思わせたのが大体6割くらいです。
3割が部活を辞めたり、転職したり、自分の知らないとこへ行くなど、
分からせる。ということが出来ない状態。
残りの約1割が、未だ敵わない状態にあり
「クソ〜!」「うわぁああああ!!!(フラッシュバック)」となっている状態です。
今となっては、ヤバイ奴に見えるかもしれませんが、
この思想は、小学生の時に読んだ
「過去の酷い仕打ちをした輩に復讐するために弁護士になった話」の本を
を履き違えた結果です。※この本のせいにする訳ぢゃありません。
復讐しても心は満たさない(なかった)件
世の中には、過去の私と同じように
劣等感の払拭と、
復讐をモチベーションに間違った努力をしている人が多いと思います。
精神的な復讐に成功すると、
確かに憎む相手の顔は忘却の彼方に消えていきますが、
残るのが傲慢と心の穴です。
復讐に成功しても心の穴は埋まりませんので、
穴を満たそうとして傲慢になります。
傲慢ゆえに良い人が離れていき、
代わりに、もっと強大な力を持った悪い輩を引き寄せてしまいます。
そしてコテンパンにされます。
反撃しようにもヘトヘトな状態。
もっと力をつけなきゃ!などと頑張ろうとする。
いつまでたっても幸せな状態になれない。
やすらぎを得ることが出来ない。
という不幸な人生になります。
「何があったんだお前。。。」と思った方は、
「心の平安を得るために断つべき人物とは?」
の記事、中盤らへんに、自分(若げの至り)のことをダラダラ記載してます。
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思い出し怒りは「自己受容」で消えていく
では、どおしたら良いのか?
過去の嫌な記憶、他人の批判や攻撃、
ネガティブなエネルギーから身を守るには、どうすれば?
思い出し怒りのせいで、いまにも頭がオカシクなってしまいそうだ!
その対処方法を一言でいうと、
自分に対する「許し」です。
「許し」とか、気持ち悪いなぁ。と思われても、
少し我慢して以下を読み続けてみてください。
まず、思い出し怒りの際、浮かび上がった相手の顔に対し、
と、唱えてみてください。
これを読んでいるアナタのことを傷つけた相手は、
安心したいがために、行ったことなのです。
「自分の方が価値がある。有能だと」
安心したい。
または、自分の方が
「善人である。」と安心したい。
つまり、
思い出し怒りが浮かんだ相手もまた、
「自分は、どうせ無価値なんだ」
「自分は、悪い」という劣等感と悲しみで、
虐待されまくった犬の如く、酷く怯え苦しんでいるのです。
相手「不安で不安で、アタマがオカシクなりそうだ!」
そんな恐怖から、アナタのことを傷つけたのです。
相手は癒されていない状態。
だから、
「この人は、癒されていないんだな」
怒っている人を見ても
「悲しんでいるんだな」
という自己暗示で、
思い出すことが出来ると
認知心理学では考えられています。
自分の劣等感は、他人にも適用される。
劣等感とは、
罪悪感と無価値観から守るために
というルールを他人にも適用してしまう習性があります。
自分のルールから逸れた人に対して、
強くディスリたくなってしまうのです。
なので、
「復讐してやりたい!」
「認めさせてやりたい!」
思い出し怒りをした時、
これら復讐心は、自分に対する強い劣等感(罪悪感・無価値観)を
刺激されたことから起こるものです。
つまり、
自分に対する「許し」とは、
自分が劣っていたり、欠けている部分を、
ありのままに認め受け入れる。
これを自己受容といいます。
コーチングが目指している自分に対する許し(自己受容)を、
1つ1つ増やしていくことが出来れば、
例えまた、思い出し怒りがフラッシュバックしても、
自分の許せていない部分を自己分析することが出来ていく。
自分の劣等感(罪悪感・無価値観)を外していくことは、
また思い出しても、まるで氷が解けていったかのように、
負の感情も抱かなくなる。
ということです。
まとめ
・思い出し怒りとは、自分に対する「許されていない部分」である。
→自己受容によって「なぜ、あんなことで怒っていたのか?」と、溶けていく。
復讐したい相手とは「癒されていない人」である。
→「無価値観」「罪悪感」に苦しんでいる。
今回も、ここまでお読みくださりありがとうございます。