人は大きいものを実際よりも軽く
小さいものは重い
と錯覚をさせ、そう感じます
普段、日常生活で
そんな経験はありませんでしょうか?
例えば、
黒色は白色よりも1.87倍重く見えると
言われているため、
実際に引っ越し業者では
1日数十個の段ボールを運ぶ作業員の
心理的負担に配慮して
ダンボールを白くしているのです。
このように
素材や色によって
目で見たときに持つイメージや思い込みによって
同じ重さでも、実際よりも重く感じたり
軽く感じたりする心理があるのです。
この心理を
シャルパンティエ錯覚と言います
洒落たパンティではありませんよ…
…
…
…
1981年に
オーガスタン・シャルパンティエという人物が
実験で証明しました。
シャルパンティエという言葉は
人名から来ているのですね。
広告やプロモーションでは常に
色、素材によって受ける人の心理を
利用して作られていることが多いのです。
色、素材にひと手間、意識するだけで
実際に手に取る人の印象をガラリと
変えてしまうのです。
そんな心理的な具体例を
いくつか紹介していきます。
色を使ったマーケティング
街で見かけるチラシや看板は
色に対してかなり気を使っています。
その中で最もよく使用される色は
赤、青、白、黒
です。
これらは販売色と言われています。
赤、青、白、黒の4色は
生物が生きていくうえで、
最も本能的に注目する色だからです。
もし、これらの色を見て、
何の反応も示すことが出来なければ
生きていくことが出来ません。
赤色が最も目立つ理由
赤色は
・一番目立つ
・興奮させる
・太陽、火、血を連想させる人の生命に関わる
といった要素を含んでいることから
配色の中で最も影響力のある色です。
チラシや看板を見渡して
一番、赤色を多く使われているのは
目立つからです。
広告は素通りされては意味が無いので
一瞬でも見て欲しい!
とにかく目立たせたい!
という場合は赤色が使われるのです。
黒色は高級感を演出
商品を高級に見せるために
黒色、もしくはグレーが使われていることが
多いのです。
高級感を出すために、ゴールド(金色)を
使いがちですが、あまり使いすぎると、
上品さに欠け、黒に比べて高級感が
劣ってしまうのです。
黒、もしくはグレーはどんな商品にでも
ワンポイント入っているだけで、
大人っぽさ、格式の高さを
感じさせることが出来るのです。
ちなみに黒色の服は
一番、引き締まって見えるのです。
ただ、いつも黒色に服を着ている人の
心理は
・人と距離を置きたい
・黒に救いを求める
・周りから神秘的に見せたい
と言われているので
周りの人は相手には積極的に
話しかけるのでは無く
相手が求めるまで待つ
といった接し方を
某アパレル関係者は知識として
持っているそうです。
人が落ち着き、安心する色とは?
人が落ち着き、安心する色とは何か?
この答えは和室が参考になりそうです。
和室は、木々の薄い茶色、くすんだ白、
自然に近い薄〜いグリーン…
これを語るには
反射率という言葉を使わなくてはなりません。
反射率とは、光が物体に入るとき、
どのくらい光を跳ね返すか?
ということを数値で表したものになります。
人は、光の反射光を目で捉えて
色を認識しているのですね。
鉄や金などキラキラしているものほど
反射率が高く、
黒など濃い色で暗い色ほど
反射率が低いということです。
人間の身体を覆う、
肌色の反射率は50%と
言われています。
人間に関わらず、ほとんどの生物の皮膚、
動物の体毛の色を保護色と呼んでいます。
ちなみに
和室を構成する木、畳、壁も
反射率が50%前後。
もちろん人間や生物と近い
保護色です。
落ち着く色を選ぶならば
保護色に近い、
反射率40〜60%を参考にすると
良いでしょう。
インテリアデザイン、空間構成の話に
なりますが
人の目線の下は低い反射率(若干暗め)
目線の先はやや明るめにするなど
目線が高くなるほど
明るくしていくのがコツです。
なので日本の和室は
落ち着きをもたらす空間デザインとして
非常に優れているのです。
商品パッケージ、デザインのマーケティング
車や携帯電話、家電、周辺機器など、
ありとあらゆる製品の色は
毎日見ていても飽きない白色
高級感があり、嫌いな人が少ない黒色
品質の高さを最も感じさせるシルバー
で構成されていることがほとんどです。
これも理由があります。
新たに生み出された製品を見た人々は
機能、品質を重視する傾向にあるのです。
スマートフォンやパソコンが
良い例ではないでしょうか?
世に出回り始める当初は
白、黒、シルバーがほとんどに対し、
そろそろ一人一つ、持つようになり出す
という成熟期に差し掛かると、
人々は「個性を出す、差別化、お得感」を
求めだします。
だからピンクや黄色、グリーンなど、
カラフルな蛍光色を見かけるようになる。
明るめの色ほど
お得、安価、軽いを
見せることができるのです。
このサイトもグリーンが
ベースですが
ただでさえ小難しそうな心理学、
「文字がたくさん」といった状態なので
気軽に、身構えず、ゆる〜く
読んでほしいという気持ちに
なってもらうためです。
※実は後から考えた(爆)
数字はイメージの力によってデカく見せる
配色による心理を説明したところで
もう一つ、人のイメージを錯覚させる
シャルパンティエな要素を
紹介します。
広告を作成する上で
数字は絶大なPR力を発揮します。
・ダウンロード数●●●万人突破!
・■■■メートルのタワー!
・総売上数××万個!
・総排水量○○○○トン!
など、広告の一番目にする
キャッチコピーですよね
さらに
その数字に対して
さらにどのくらいの規模なのか?
人がイメージしやすい単位を使うと
さらに効力がupします。
例えば
これ1粒で1.6gの食物繊維が取れます
と書かれているよりも
これ1粒で1.6g!
キャベツ1個ぶんの食物繊維が取れます!
と書かれていた方が
お得で良さそうに思う人が多いと
思いますよね
もう一つ、
例えを出すにしては
暗い話で申し訳ないですが
カンボジアでは
ポル・ポト政権下の時代
200万人の人が亡くなった
と言われるよりも
カンボジア国民の4人に1人が亡くなった
と言われた方が
ゾッとさせるような
いかに想像を絶するようなことが
あったことを助長させるでしょう。
このように
色、イメージしやすい単位に
一手間かけるだけで
人の印象はガラリと誘導することが
できるのです。
それほど人は、
第一印象やイメージで物事を判断することが多く、
それを逆手にとって、広告マーケティングに
活用されているのです。